研究課題
アルツハイマー病(AD)研究を行うために最も重要なツールは、AD患者の病理を忠実に再現したモデルマウスである。我々は、既存のモデルマウスに内包されていた問題展を克服した新型モデルマウスの開発に成功した(第2世代モデルとしてAPP(NL-F)-KIマウス)。更に、第3世代モデルとして、APP(NL-F)-KIマウスにArctic変異を追加したAPP(NL-G-F)-KIマウスの作製にも成功した。APP(NL-F)-KIマウスは、既存のモデルマウスの問題展を克服したのみでなく、患者に酷似したアミロイド病理を呈し、既存のモデルよりも病理形成が早い。神経炎症、シナプスの脱落、行動異常、神経新生の抑制などのアミロイド病理に起因する症状も再現されていた。更に、APP(NL-G-F)-KIマウスは、APP(NL-F)-KIマウスを凌ぎ、わずか2ヶ月齢からアミロイド病理を呈し始め、その6ヶ月齢での病理は、APP(NL-F)-KIマウスの18ヶ月齢に相当し、研究時間を大幅に短縮させることに成功した。また、APP(NL-F)-KI及びAPP(NL-G-F)-KIマウスを基軸とした交配種(第4世代モデル)として、カルパスタチン欠損マウスとの交配を行ったが、交配によりアミロイド病理の加速が確認され、カルパスタチンがAD病理の抑制因子として同等された。しかも、既存のモデルマウスとの交配では認められない結果を示したことから、既存のモデルマウスがArtificalなモデルマウスであった事も強く示唆した。これら結果をまとめた論文は、Nature Neuroscience誌に採択された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature Neuroscience
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1038/nn.3697
Nature Communications
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