研究課題
本研究は、網膜疾患治療における低侵襲で効率的な眼内薬物投与デバイスとして「経強膜ドラッグデリバリーシステム(DDS)」を開発し、実際の臨床薬物を複数徐放化するデバイス条件を確立し、網膜変性動物モデルを用いて網膜保護効果を評価することを目的とした。3年計画の3年目にあたるH25年度は、薬物のEdaravone(EDV)とUnoprostone(UNO)のマルチDDSを作成し、ラット網膜光障害モデルに対する網膜保護効果を検討した。光障害の1週間前にデバイスを強膜上に移植し、光障害後4日目に網膜電図(ERG)による網膜機能を評価した。またERG後11日目に眼球を摘出し組織学的評価を行った。比較としてEDVとUNOの各シングルDDS、および薬剤なしのプラセボDDSを移植した。まず予備試験としてマルチDDSにおけるEDVとUNOの最適徐放条件を検討した結果、EDVは3.24μg/day、UNOは0.79μg/dayの組合せでERG振幅値の低下が最も抑制されていた。次に、シングルDDS移植群とマルチDDS移植群を比較した結果、マルチDDSはシングルDDSよりもERG振幅値の低下を抑制していた。さらに網膜視細胞外顆粒層の厚みやTUNELによるアポトーシス細胞数の減少もマルチDDS移植群で著名に抑制されていた。以上から、経強膜的な持続徐放によって網膜光障害から網膜保護をできる可能性が示唆され、またマルチ徐放化によって相乗的に網膜保護できる可能性が示唆された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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