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2011 年度 実績報告書

顔に関する統合情報を用いた矯正歯科医の知識に基づく表情の診断システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23680057
研究機関大阪大学

研究代表者

八木 雅和  大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任准教授(常勤) (40362686)

キーワード顔 / 表情 / 数理モデル / モーション / 皮膚 / 粘弾性 / 計測
研究概要

本年度については,顔に関する統合情報のうち,ヒトの表情表出動作の高精度3次元時系列計測に重点を置いて,高性能なモーションキャプチャシステム(Qualysis社製,Oqus300カメラシステム)を導入した.本システムは,多数のカメラ構成でオクルージョンの問題を解決できるため,まず,被験者(N=1)を対象として,動きを計測するのに利用するマーカーのサイズ,マーカー数,および,体幹部分も含めたマーカーを貼付する計測点の位置についての条件を変更して検討することで,安定した計測が可能な撮影条件を決定した.また,数理モデル化に用いる,動きデータから抽出する特徴変量について矯正歯科医と検討した.そして,運動学的観点から,計測点単体の動きデータから得られる加速相・減速相における移動量・速度や運動の対称性,ジャークコストを,数理モデル化に用いる特徴変量として選択した.また、表情表出時の表面の形態変化をマクロに捉えるため、3つの計測点により定義される面に着目し,面積ひずみや面の回転角度も特徴変量として追加した.
決定した前記撮影条件に基づいて,極端な不正咬合が認められない青壮年期の女性(N=10),および,老化により皮膚機能の低下,筋機能の低下が表情に影響を与えていると考えられる年齢である中年期(N=10)の女性を対象として,Posed Smile表出時(5試行)の計測点の位置をサンプリング周波数100Hzで計測した.計測データから特徴変量を抽出して2群を比較したところ,サンプル数は少数ながら,計測点単体の動きデータから抽出した特徴変量と,3計測点により定義される面に関する特徴変量ともに優位の差が認められ,青壮年期の女性の方が中年期の女性よりも表情変化が大きいことが示唆された.以上のことから,老化により生じる表情機能の低下の検出に利用可能な特徴変量を同定することに成功したと考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新規導入したモーションキャプチャシステムを用いた撮影条件の最適化が終了した。そして,動きデータから抽出する特養変量を決定し,少数サンプルながら,青壮年期と中年期の女性を比較することで,老化による表情機能の低下が検出可能であることを明らかにできたためである.

今後の研究の推進方策

今後については,被験者数を増加して,表情機能の低下を効果的に検出できる特徴変量の検討を更に進める.また,本年度は表情表出動作においてもっとも重要なダイナミック特性を表現するため動きデータに着目したが,更に表情表出動作に影響を与える要素である顔形態や皮膚生理特性から抽出した特徴変量も加えることで,更にロバスト性の高い多階層の数理モデル作成を行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Development of in silico Knowledge-Dependent Models of a Face for Predictive Medicine2012

    • 著者名/発表者名
      Masakazu Yagi, Kenji Takada
    • 学会等名
      第3回先進医療フォーラム
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2012-01-21

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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