本研究は,微弱電流刺激(MES)が軟部組織や骨格筋損傷に対して影響するか検討することが目的である.研究は手術後の腫脹や柔軟性,疼痛を対象とした臨床研究と,急性創傷や骨格筋損傷モデルラットを用いた基礎研究から構成された.また,糖尿病モデルラットを用いて,難治性創傷の治癒促進効果の検証も行われた.臨床研究では,MESが疼痛軽減よりも,軟部組織の柔軟性に対して効果を示す結果となった.また基礎研究ではMESが,骨格筋損傷後の治癒や,糖尿病による難治性創傷の治癒を促進させることがわかった.MESが,スポーツ外傷や,断端形成に難渋する糖尿病合併症による切断患者等に対して効果を発揮する可能性を示唆した.
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