研究課題
本年度の目標であった脊髄損傷患者に対して人工神経接続により随意歩行の機能再健の実験を行った。下肢の運動・感覚麻痺と呈する2名の完全脊髄損傷患者に対して、上肢の筋活動で様髄への磁気刺激をすることにより、損傷した大脳皮質と腰髄間の神経結合を代替したところ、自在に下肢の歩行運動の開始、歩行サイクルを随意的に制御できた。本成果は世界で初めて、完全脊髄損傷患者に対して、失った神経経路をBCIで代替し、随意歩行機能の再掲に成功した。健常人の人工神経接続による歩行機能再健の論文は投稿し、査読中である。脊髄刺激の安全性を検討する目的で、脊髄刺激による自律神経応答を健常人20名及び脊髄損傷患者2名で検討した。健常人では脊髄刺激による循環器系応答に影響が観られなかった。一方、脊髄損傷患者では脊髄刺激後の一過性の心拍数と血圧の上昇が見られ、脊髄損傷患者に対する脊髄刺激をする際には注意が必要であることが明らかになった。
2: おおむね順調に進展している
当初最終目標であった完全脊髄損傷患者での人工神経接続による機能再健に成功した。
本年度は、不完全脊髄損傷患者での人工神経接続の実験を行い、人工神経接続によるリハビリテーション効果について検討する。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (20件) (うち招待講演 4件)
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