本研究では,世界的にデータ不足にある幼児を対象に,二重標識水法を用いた総エネルギー消費量(TEE)の実態調査を行い,これにシステマチックレビューを加えることで,日本人の食事摂取基準(DRI)に示される推定エネルギー必要量(EER)の拡充に取り組んだ. 調査の結果,DRIに示される3~5歳の年齢帯の身体活動レベルが実態に比べて低値である可能性が示唆された.一方,TEEはDRIに示されるEERとほぼ同値であり,別途実施した最新のシステマチックレビューの結果とも良く一致していた.これらの知見から,幼児については,従前の基礎代謝量を介したEERの導出方法に再考の余地があることが明らかとなった.
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