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2011 年度 実績報告書

「細胞内肥満仮説」の検証とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 23680069
研究機関順天堂大学

研究代表者

田村 好史  順天堂大学, 医学部, 准教授 (80420834)

キーワードインスリン抵抗性 / 異所性脂肪 / アルコール / 内臓脂肪
研究概要

【背景】日本人を含む東アジア人の糖尿病や動脈硬化症患者の多くは非肥満であり、インスリン抵抗性(IR)の実態や病態的意義などは未だ不明な部分が多い。
【目的】非肥満者における、肝臓、骨格筋のIRの臨床的意義と規定因子について解析する。
【方法】対象は、30歳以上、50歳未満の非糖尿病(空腹時血糖値(FBS)126mg/dl未満)の男性とした。早朝空腹時に^1H-MRS法による骨格筋・肝臓における細胞内脂質の定量、MRIによる腹腔内脂肪・皮下脂肪量の定量、筋生検を行った。その後、2ステップ高インスリン正常血糖クランプにより、肝臓、骨格筋のIRを判定した。
【結果】非肥満者で肝臓でのみIRを示す群(L-IR)、骨格筋でのみIRを示す群(M-IR)、両臓器でIRを示す群(LM-IR)の各群の臨床パラメーターを比較した所、L-IR群では僅かなFBSの上昇と、正常群の約2.5倍(49.7g/day)のアルコール摂取量が観察された。一方、M-IR群では正常群と比較して、TGが有意に高く、HDL-Cと最大酸素摂取量が有意に低かった。骨格筋細胞内脂質量は正常群と同等であったが、肝細胞内脂質は約3倍で半数が脂肪肝を呈していた。LM-IR群では、M-IR群に認めた特徴に加えて、FBS、血圧、内臓脂肪量が有意に高値で飲酒量は高い傾向にあり、肝臓、骨格筋の細胞内脂質量はM-IR群と同等であった。これらのLM-IR群に認められる特徴やIRの程度は、肥満MS群とほぼ同等であった。
【結語】非肥満者において、肝臓、骨格筋のIRはそれぞれ独立して存在し、相加、相乗的に、全身の糖質代謝、脂質代謝、血圧の増悪に関連することが明らかとなり、両臓器にIRがある場合、その表現型は肥満MS群と同等であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

被験者のリクルートも順調であり、データも集積されつつある。

今後の研究の推進方策

今後、もう少し症例を集め、さらに詳細な解析を進めていく。筋生検サンプルの解析による今後の検討も行っていく。

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公開日: 2013-06-26  

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