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2012 年度 実績報告書

「細胞内肥満仮説」の検証とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 23680069
研究機関順天堂大学

研究代表者

田村 好史  順天堂大学, 医学部, 准教授 (80420834)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワードインスリン抵抗性 / 異所性脂肪 / アルコール / 内臓脂肪
研究概要

【背景】日本人を含む東アジア人の糖尿病や動脈硬化症患者の多くは非肥満であり、インスリン抵抗性(IR)の実態や病態的意義などは未だ不明な部分が多い。
【目的】非肥満者における、肝臓、骨格筋のIRの臨床的意義と規定因子について解析する。
【方法】対象は、30歳以上、50歳未満の非糖尿病(空腹時血糖値(FBS)126mg/dl未満)の男性とした。早朝空腹時に1H- MRS法による骨格筋・肝臓における細胞内脂質の定量、MRIによる腹腔内脂肪・皮下脂肪量の定量、筋生検を行った。その後、2ステップ高インスリン正常血糖クランプにより、肝臓、骨格筋のIRを判定した。
【結果】非肥満者で肝臓でのみIRを示す群(L-IR)、骨格筋でのみIRを示す群(M-IR)、両臓器でIRを示す群(LM-IR)の各群の臨床パラメーターを比較した所、L-IR群では僅かなFBSの上昇と、アルコール摂取量の増加が観察された。一方、M-IR群では正常群と比較して、TGが有意に高く、HDL-Cと最大酸素摂取量が有意に低かった。骨格筋細胞内脂質量は正常群と同等であったが、肝細胞内脂質は約3倍で半数が脂肪肝を呈していた。LM-IR群では、M-IR群に認めた特徴に加えて、FBS、血圧、内臓脂肪量が有意に高値で飲酒量は高い傾向にあり、肝臓、骨格筋の細胞内脂質量はM-IR群と同等であった。これらのLM-IR群に認められる特徴やIRの程度は、肥満MS群とほぼ同等であった。重回帰分析の結果、M-IRに関連する因子として内臓脂肪量、最大酸素摂取量、身体活動量が抽出され、L-IRについてはアルコール摂取量のみが抽出された。
【結語】非肥満者において、肝臓、骨格筋のIRはそれぞれ独立して存在し、相加、相乗的に、全身の糖質代謝、脂質代謝、血圧の増悪に関連すること、それぞれ別個の原因を有する可能性が明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

被験者の測定はほぼ完了し、学会での発表を行った。現在、論文執筆を進めている。

今後の研究の推進方策

現在得られた関連性について因果関係を明らかにすること、骨格筋生検サンプルの解析によりメカニズムの解明を進めていく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Characteristics of non-obese Japanese men with muscle and/or liver insulin resistance.2012

    • 著者名/発表者名
      Takeno K, Tamura Y et al.
    • 学会等名
      9th IDF-WPR Congress and 4th AASD Scientific Meeting
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      20121124-20121127
    • 招待講演
  • [学会発表] 糖尿病領域における運動の意義と学会連携2012

    • 著者名/発表者名
      田村 好史
    • 学会等名
      第18回日本心臓リハビリテーション学会学術集会
    • 発表場所
      大宮
    • 年月日
      20120714-20120715
    • 招待講演
  • [学会発表] Characteristics of non-obese japanese men with muscle and/or liver insulin resistance.2012

    • 著者名/発表者名
      Takeno K, Tamura Y et al.
    • 学会等名
      American Diabetes Association 72nd Scientific Sessions
    • 発表場所
      Philadelphia, USA
    • 年月日
      20120608-20120611
  • [学会発表] 肥満者における、肝臓、骨格筋のインスリン抵抗性の臨床的意義とその原因探索.2012

    • 著者名/発表者名
      竹野景海, 田村好史ら
    • 学会等名
      第55回日本糖尿病学会年次学術集会,若手研究奨励賞最終選考
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20120517-20120519
  • [学会発表] 運動療法の治療ガイド作成へのロードマップ 論点整理2012

    • 著者名/発表者名
      田村 好史
    • 学会等名
      第55回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20120517-20120519
    • 招待講演
  • [図書] 最新医学2012

    • 著者名/発表者名
      田村 好史
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      最新医学社

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公開日: 2014-07-24  

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