研究課題
ヒトや実験動物をはじめとする生物の体内では、多くの生体機能、例えば、睡眠/覚醒、神経活動、ホルモン 分泌、体温、酵素活性に約24時間周期のリズム(概日リズム)が認められている。ところが、実験動物を用いた 多くの食品成分の有効性評価は、生体の概日リズムを考慮に入れて実施されてこなかった。本研究は、体内で刻まれている様々な概日リズムによって、摂取した食品成分の生体内有効性がどのように制御されているのかを明らかにし、その制御機構のデータベースを構築するとともに、概日リズムを調節できる食品成分を探索することを目的として推進しており、平成26年度の研究では次の結果を得た。1. 精製飼料を自由摂食している条件下で、雌性C57BL/6マウスの血中および肝臓中脂質量の日内変動を追跡したところ、血中脂質は食事由来、肝臓中脂質は生合成由来でリズムを刻んでいることを見出した。2. 通常、ラットを24時間自由摂食させると、一日に二度ピークを示す日内リズムを示し、最初のピーク(朝食)の方が後のピーク(夕食)よりも高まる。一方、ラットにとっての朝食時間帯と夕食時間帯に精製飼料を自由摂食させる時間制限給餌をおこなったところ、摂食量のピークが逆転し、夕食時間帯の方が高まることを示した。その理由は、給餌間の絶食時間帯における体重減少が活動期の方が激しかったことから、活動に伴うエネルギー消費量に起因していることが予想された。現在、24時間自由摂食実験の場合は、何故朝食の方が摂取量が高まるのか、その原因を探索している。3. 機能性素材の1つであるイソフラボンを豊富に含む大豆を被験試料として、機能性成分は朝食に摂った方が効果が高まるのか、それとも夕食時に摂取した方が効果が高まるのかをマウスを用いた系により評価したところ、大豆は夕食に摂取した方が脂質代謝改善効果が望める可能性を示すデータを得た。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Bioscience Biotechnology and Biochemistry
巻: 78 ページ: 1748-1752
10.1080/09168451.2014.932667