研究課題/領域番号 |
23680078
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
三浦 元喜 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00334053)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | デジタルペン / 教育工学 / 学習支援システム / 対話型授業 / ユーザインタフェース |
研究概要 |
【デジタルペン学習に関する実証実験の実施】小金井市の小学校でデジタルペンシステムを導入し,2人で1本のペンを共有したり,グループで1本のペンを使用するなど,従来の1人1本にとらわれない運用を試行した.ペンの本数が減ると教師が確認すべき筆記の量も減少し,授業実施における負担感が軽減されることを確認した.またペンを共有することにより,ペアやグループの対話が増えることで,協調学習の効果が生じることがわかった.これらの知見を活かすことで,デジタルペンを利用した教育学習環境の多様性および有効性を高めることが期待できる.また,高校の数学授業実践を通じたデジタルペンシステムの効果(教室全体の舞台化により,インタラクションの増大と対話型授業を実現しやすくなった)について,M-GTA(Modified Grounded Theory Approach)をもちいて包括的に整理した論文が採録・掲載された. 【デジタルペン学習基盤の整備】学習者の状況を教師が把握しやすくしたり,学習者自身が自らの態度志向について振り返る際のきっかけを提供するために,デジタルペン情報から筆記の丁寧度を自動的に抽出する手法を開発した.本技術が進展すれば,教師および支援者が学習者筆記を確認する際の指標となり,筆記確認の際の負担を軽減することができる.また,学習者自身が問題解決における経緯や思考を外在化する際に,他者の目を意識することにつながるため,デジタルペン筆記活用授業の円滑化および有効性向上が期待できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
小金井市の小学校でのデジタルペン授業実践により,様々な試行を行えたことで,今後解決すべき問題点があきらかになった.ただし遠隔支援に関する検討はあまり進んでいない.
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今後の研究の推進方策 |
遠隔支援に関する検討を進めるため,研究代表者が所属する大学の遠隔講義にデジタルペンシステムを導入し,問題点等の洗い出しを行うことを検討している. また教師の認知負荷を下げるための支援方策として,筆記情報から自動で情報を抽出する技術,筆記の分類・整理に関する技術開発を行う.
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