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2011 年度 実績報告書

不溶化処理の普及を目指した廃棄物資材の重金属不溶化機構の解明と生物影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 23681013
研究機関東京農工大学

研究代表者

橋本 洋平  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80436899)

キーワード土壌汚染 / 不溶化
研究概要

土壌汚染対策法によって定められている対策は,原則として不溶化処理のように現場内において汚染のリスクを低減することを目的とした措置である.不溶化処理は,廃棄物資材を有効に活用し,安価に実施可能であるにも関わらず,科学的知見に基づく検討が不十分であるために普及が進んでいない.不溶化処理の適用を検討している自治体や企業が最も知りたいことは,「処理土の安全性」である.そのためには,処理によって重金属がどのような形態に転換されるのかを定性・定量することが重要になる.その結果,処理土の長期安定性の予測や生物影響評価が初めて可能になる.
不溶化処理が普及するためには,利用されている資材について,①重金属の不溶化機構,②長期安定性を明らかにする必要がある.本研究では,これらの点について解明するための実験を行い,成果を重金属汚染土壌の不溶化処理の普及につなげることを目的とした.
昨年度から引き続き取り組んでいる研究である,廃棄物を利用した不溶化資材(卵殻,菜種残渣など)を利用した土壌重金属の不溶化実験を行った.これらの不溶化資材は土壌中の鉛およびカドミウムの溶解性を有意に低下することが確認された.卵殻については,高温処理により鉛の不溶化効果が高まり,その機構として土壌pHの上昇にともなう土壌鉱物の溶解と共沈が関わっていることが推測された.
加えて今年度は,主としてゼロ価鉄を用いた不溶化試験を実施した.ゼロ価鉄を用いたカドミウムの不溶化試験は,水田の湛水状態の土壌(還元状態)を模擬したカラム実験を実施した.ゼロ価鉄の添加は,土壌の酸化還元電位を急激に低下させ,それに伴って土壌溶液中に溶出するカドミウムの濃度も低下した.これらの効果は,ゼロ価鉄を添加しない場合よりも顕著であった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の実験は順調に遂行された.結果はすでに論文として投稿されて受理された.関連の学会発表も実施した.これらの点から順調に進展していると判断した.

今後の研究の推進方策

引き続き実験を行い,本研究の目的達成に向けて鋭意進めていく.学会発表の結果をまとめて,論文投稿につなげるように努める.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Immobilization of lead in a Korean military shooting range soil using eggshell waste: an integrated mechanistic approaches2012

    • 著者名/発表者名
      Ahmad, M
    • 雑誌名

      Journal of Hazardous Material

      巻: 209-210 ページ: 392-401

    • DOI

      10.1016/j.jhazmat.2012.01.047

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of rapeseed residue on lead and cadmium availability and uptake by rice plants in heavy metal contaminated paddy soil2011

    • 著者名/発表者名
      Ok, Y.S.
    • 雑誌名

      Chemosphere

      巻: 85 ページ: 677-682

    • DOI

      10.1016/j.chemosphere.2011.06.073

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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