研究課題
平成25年度は、平成24年度までに構築した、対物レンズを2つ対向させた自作顕微鏡を用い、光干渉により光軸方向に周期的な強度変調を与えた照明系を実現した。それを用いた3次元超解像蛍光イメージング法の性能評価とイメージングの精度向上に取り組んだ。まず2光束干渉によるZ方向の干渉パターンが安定に維持されるように、光学部品の設置方法をより強堅にし、さらに2光束の光路長を正確に一致させた。また固体レーザー光源を含めイメージングシステム一式を暗箱で覆い、周囲の空気の密度揺らぎによる光路長の変化を抑制すると共に、迷光の侵入を防いだ。その結果、Z方向分解能として20 nmが達成でき、当初計画をほぼ達成できた。また、高分子薄膜中のゲスト分子の単一分子追跡で観測されていた、異常拡散を示すゲスト分子に対して、そのZ位置、即ち基板からの距離と、正常拡散を示すゲスト分子のZ位置はほぼ同程度であることが3次元の単一分子追跡から明らかとなった。これより、ゲスト分子の異常拡散の原因は、基板とホスト高分子との相互作用により局所的にホスト高分子が密な(粘度の高い)集合構造をとるためであると解釈することができた。さらに平成24年度に引き続き、蛍光性と非蛍光性の両異性体間を光でスイッチング可能な蛍光スイッチ分子を用いた単一分子追跡に対し、最適な光照射条件を見出した。これにより、ゲスト分子の蛍光を適宜ON可能な実験系の構築が可能となり、1時間にもわたる多数個(1000個以上)の単一分子追跡を可能とした。また蛍光スイッチ分子を用いることで、実効的な蛍光スポットサイズの縮小に成功し、新規超解像イメージング法への応用の道を拓いた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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