研究課題
高いサイズアスペクト比と柔軟性を有する高分子超薄膜(ナノシート)にソフトリソグラフィー技術を適用し、細胞・組織配列の制御性と筋組織工学への応用を検討した。任意の形状を有するガラス基板上に犠牲層であるpoly(N-isopropyl acrylamide)(pNIPAM)およびpolystyrene(PS)を製膜した。異なる濃度のPS溶液(10-50 mg/mL)を任意の膜厚からなるPSナノシートを調製できた(膜厚40-360 nm)。この時、pNIPAMを下限臨界溶液温度(LCST~32℃)以下で溶解させることで剥離した自己支持性のPSナノシートを原子間力顕微鏡(AFM)にて評価したところ、超薄領域(膜厚100 nm以下)では、ナノシートのヤング率が5倍以上低下することが判明した。これより、ナノシートの柔軟性を膜厚で制御できることが示唆された。次に、PDMSスタンプを用いて、ナノシート表面にフィブロネクチンをライン状にパターン化して、マウス骨格筋細胞(C2C12)を培養したところ、培養7日後には異方性を維持したまま筋管が形成した。この時、電気刺激装置にて2日間筋管を刺激したところ、筋管の運動も認められた。さらに、細胞を培養したナノシートをシリコンチューブなどに巻付けることもでき、環構造を模した生体組織を再現できた。以上より、高い柔軟性と異方的な細胞接着界面を有するナノシートは筋組織を構築するための機能性足場として有用であることが示された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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