研究課題
間欠的なダイナミクスが情報や感染の伝搬を起こりやすくするか否かについては、起こりにくくするという数値計算や理論の結果がやや多いものの、一般的な答は知られていない。この問に答えることは、そのようなダイナミクスをもつネットワーク上での伝搬現象を理解すること、ひいてはそのようなネットワーク上での協力行動やその他の社会的行動の伝搬現象を理解するためにも必要である。本研究では、あるノードから他のノードへの感染が、数回のコンタクトを経て初めて(やっと)起こるような伝搬ダイナミクスの数理モデルについて、その広がりやすさを検証した。検証は、2つの公開されている、間欠的なダイナミクスをもつ社会ネットワークのデータセットに対して行った。検証は、数値実験によって行った。よく用いられている SI モデルや SIR モデルでは、1回のコンタクトのみで感染が(設定にによっては確率的に)起こることを仮定しているので、そうではなく、バースト的にコンタクトが起こる場合に感染が起こりやすい場合を調査したということである。その結果として、我々のモデルのもとでは、従来の多くの研究結果とは異なり、広いパラメータ領域において間欠性が伝搬効率を高めることが見出された。本研究成果は、伝搬モデルの詳細によって、間欠性の伝搬への効果が逆の方向へと異なりうることを示唆している。より現実的な伝搬のデータや間欠性のデータと照らしあわせて、より一般的な知見を導いていくことが今後の課題である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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