研究課題
本年度は、脊椎動物およびホヤの進化メカニズムを解明する目的で、保存された遺伝子群であるHoxの機能解析を中心に行った。Hox1遺伝子が、甲状腺相同領域の後方においてHox3の転写を活性化していること、Hox1による甲状腺の後方化が、筋肉の正常な形成に必要であることが判明した。TALENによる組織特異的ノックアウト実験から、Hox2は表皮で発現して出水口の融合を制御していること、出水口が融合する際に、表皮細胞が特徴的な形状変化を示すことを明らかにした。同様の方法により、Hox13も表皮で機能して輸精管前端構造の形成に働くことが判明した。Hox10について、消化管形成を制御するメカニズムとしてコラーゲンの発現抑制を通じていること、タンパク質分解酵素の1種MMPがコラーゲンの分解に関わっていることを明らかにした。ホヤの変態について脊椎動物との比較をする目的で、ホヤの変態メカニズムの解明を進めた。ホヤの変態の開始にグルタミン酸作動性神経とGABA作動性神経のニューロンネットワークが必要なこと、変態の開始や成体組織の成長をゴナドトロピン放出ホルモンGnRHが制御していることを突き止めた。Gal4エンハンサートラップ系統では、新規Gal4ドナー系統からのトランスポゾンのローカルホップを試みたものの、その活性は検出できなかった。一方、Crispr/Cas9やTALENを用いることで、ホヤゲノムに対して数千塩基対程度の欠失を引き起こすことができることを明らかにしたため、本手法を代替の手法としてホヤ遺伝子の機能解析を進めることが可能である。またTALENにより生殖細胞ゲノムに変異を導入できること、トランスポゾンを用いた母性遺伝子特異的機能阻害法の樹立を達成し、それらの成果を論文として発表した。これらの成果により、ホヤにおける遺伝子機能解析の基盤が確立した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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