糖鎖プロセシング機能に立脚した小胞体ストレス関連疾患の化学的解析

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23681049
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: ケミカルバイオロジー
• 研究機関: 成蹊大学
• 研究代表者: 戸谷 希一郎 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (80360593)
• 研究期間 (年度): 2011-04-01 – 2014-03-31
• キーワード: 糖鎖 / 疾患 / ストレス / 合成化学

研究概要

小胞体糖タンパク質品質管理に係る糖鎖プロセシング変化は、細胞状態や疾患、基質糖タンパク質の性質等、様々な要因で変化するものと考えられる。本研究では合成糖鎖基質と動物組織より抽出した小胞体画分を反応させ、得られた糖鎖プロセシングプロファイルの比較によって、糖鎖プロセシングに影響を与える要因や疾患との関わりを検討した。その結果、肥満モデルラット、2型糖尿病モデルラットおよび骨粗鬆症モデルマウス由来の糖鎖プロセシングが特有のパターンを示すことが分かった。また糖鎖プロセシング状況は、細胞内の高濃度環境や、基質糖タンパク質の疎水性によっても影響を受けることを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Diverse Effects of Macromolecular Crowding on the Sequential Glycan Processing Pathway Involved in Glycoprotein Quality Control (2013)
  • 著者名/発表者名: Hikaru Matsushima, Makoto Hirano, Yukishige Ito, Kiichiro Totani
  • 雑誌名: Chem Bio Chem 巻: 14 ページ: 753-758
  • DOI: 10.1002/cbic.201300028
  • 査読あり
• [雑誌論文] Reconstructed Glycan Profile for Evaluation of Operating Status of the Endoplasmic Reticulum Glycoportein Quality Control (2013)
  • 著者名/発表者名: Shogo Iwamoto, Miho Isoyama, Makoto Hirano, Kenta Yamaya, Yukishige Ito, Ichiro Matsuo, Kiichiro Totani
  • 雑誌名: Glycobiology 巻: 23 ページ: 121-131
  • DOI: 10.1093/glycob/cws130
  • 査読あり
• [雑誌論文] Recent Chemical Approaches to Mimicking High-Mannose Glycans (2012)
  • 著者名/発表者名: Kiichiro Totani
  • 雑誌名: Trends in Glycoscience and Glycotechnology 巻: 24(138) ページ: 190-192
  • DOI: 10.4052/tigg.24.190
  • 査読あり
• [雑誌論文] Property of Jack Beanα-Mannosidase in the Presence of Hyaluronan, Bioscience (2012)
  • 著者名/発表者名: Mayumi Nakamura, Yuka Adachi, Kiichiro Totani
  • 雑誌名: Biotechnology, and Biochemistry 巻: 76(4) ページ: 856-858
  • DOI: 10.1271/bbb.110978
  • 査読あり
• [雑誌論文] Influence of Hyaluronan Environments on the Stereoselectivity of an Aldol Reaction (2012)
  • 著者名/発表者名: Takashi Ishikawa, Hiroto Noritake, Kiichiro Totani
  • 雑誌名: Journal of the Chinese Chemical Society 巻: 59(3) ページ: 265-268
  • 査読あり
• [雑誌論文] 糖質由来のキラルテンプレートを用いた立体選択的炭素-炭素結合形成反応の開発 (2011)
  • 著者名/発表者名: 戸谷希一郎, 高尾賢一, 只野金一
  • 雑誌名: 有機合成化学協会誌 巻: 69 ページ: 1363-1374
  • DOI: 10.5059/yukigoseikyokaishi.69.1363
  • 査読あり
• [雑誌論文] In vivo Glycorandomization for Facile Access to Diverse Glycosides (2011)
  • 著者名/発表者名: Kiichiro Totani
  • 雑誌名: Trends in Glycoscience and Glycotechnology 巻: 23(131) ページ: 153-154
  • DOI: 10.1002/jccs.201100564
  • 査読あり
• [雑誌論文] Magnetic Beads-Assisted Mild Enrichment Procedure for Weak-Binding Lectins (2011)
  • 著者名/発表者名: Kiichiro Totani, Haruka Miyazawa, Shino Kurata, Yukishige Ito
  • 雑誌名: Analytical Biochemistry 巻: 411 ページ: 50-7
  • DOI: 10.1016/j.ab.2010.12.023
  • 査読あり
• [学会発表] 小胞体エンドマンノシダーゼに対する小分子基質の合成研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 齋藤信彦,久保佳蓮,平野真,戸谷希一郎
  • 学会等名: 日本化学会第94春季年会
  • 発表場所: 名古屋大学・東山キャンパス(愛知)
  • 年月日: 20140327-30
• [学会発表] カルレティキュリンのアグリコン特異性解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 平野真,足立優花,伊藤幸成,戸谷希一郎
  • 学会等名: 日本化学会第94春季年会
  • 発表場所: 名古屋大学・東山キャンパス(愛知)
  • 年月日: 20140327-30
• [学会発表] CNX/CRTサイクル関連タンパク質の階層横断解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 今川綾望,平野真,戸谷希一郎
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド(兵庫)
  • 年月日: 20131203-06
• [学会発表] アグリコン構造が小胞体糖鎖プロセシングに与える影響 (2013)
  • 著者名/発表者名: 山谷健太,平野真,伊藤幸成,戸谷希一郎
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド(兵庫)
  • 年月日: 20131203-06
• [学会発表] アグリコンの疎水性度に着目したカルレティキュリンとGlc1Man9GlcNAc2誘導体との相互作用解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 足立優花,平野真,伊藤幸成,戸谷希一郎
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 神戸ポートアイランド(兵庫)
  • 年月日: 20131203-06
• [学会発表] 糖タンパク質品質管理に関わる糖鎖プロセシングのアグリコン特異性解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 山谷健太,平野真,伊藤幸成,戸谷希一郎
  • 学会等名: 第32回日本糖質学会年会
  • 発表場所: 東大阪国際交流センター(大阪)
  • 年月日: 20130805-07
• [学会発表] UGGTのアグリコン特異性解析を志向した10.糖ペプチド型阻害剤の合成研究 (2013)
  • 著者名/発表者名: 工藤貴弥,石原俊洋,平野真,戸谷希一郎
  • 学会等名: 第32回日本糖質学会年会
  • 発表場所: 東大阪国際交流センター(大阪)
  • 年月日: 20130805-07
• [学会発表] 小胞体エンドマンノシダーゼの機能解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 戸谷希一郎,渡邊千惠,齋藤信彦,平野真,伊藤幸成,Spencer J. Williams
  • 学会等名: 第32回日本糖質学会年会
  • 発表場所: 東大阪国際交流センター(大阪)
  • 年月日: 20130805-07
• [学会発表] Chemical approaches toward understanding of ER endomannosidase (2013)
  • 著者名/発表者名: Kiichiro Totani
  • 学会等名: Third Joint Austria/Japan Seminar on Comparative and Developmental Glycobiology at RIKEN
  • 発表場所: Wako (Japan)
  • 年月日: 20130701-03
• [学会発表] 合成基質を用いた小胞体エンドマンノシダーゼの機能解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 戸谷希一郎,渡邊千惠,齋藤信彦,平野真,伊藤幸成
  • 学会等名: 第8回日本ケミカルバイオロジー学会年会
  • 発表場所: 東京医科歯科大学M & Dタワー鈴木章夫記念講堂(東京)
  • 年月日: 20130619-21
• [学会発表] 小胞体マンノシダーゼ様タンパク質に対する選択的阻害剤の探索 (2013)
  • 著者名/発表者名: 栗原大輝,岩田昂大,平野真,戸谷希一郎
  • 学会等名: 日本化学会第93春季年会
  • 発表場所: 立命館大学びわこ・くさつキャンパス(滋賀)
  • 年月日: 20130322-25
• [学会発表] 合成基質を用いた小胞体エンドマンノシダーゼの機能解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 戸谷希一郎,渡邊千惠,齋藤信彦,平野真,伊藤幸成
  • 学会等名: 日本化学会第93春季年会
  • 発表場所: 立命館大学びわこ・くさつキャンパス(滋賀)
  • 年月日: 20130322-25
• [学会発表] 小胞体マンノシダーゼ類に対する選択的阻害剤の探索 (2013)
  • 著者名/発表者名: 栗原大輝,平野真,伊藤幸成,戸谷希一郎
  • 学会等名: GlycoTOKYO2013シンポジウム
  • 発表場所: 成蹊大学4号館ホール(東京)
  • 年月日: 2013-10-19
• [学会発表] UGGTのアグリコン特異性解析を志向した糖ペプチドの合成研究 (2013)
  • 著者名/発表者名: 工藤貴弥,石原俊洋,志村俊,平野真,戸谷希一郎
  • 学会等名: GlycoTOKYO2013シンポジウム
  • 発表場所: 成蹊大学4号館ホール(東京)
  • 年月日: 2013-10-19
• [学会発表] 糖鎖のはたらきを知るための化学的アプローチ (2013)
  • 著者名/発表者名: 戸谷希一郎
  • 学会等名: 化学と生命のかけはし
  • 発表場所: 東京大学工学部(東京)
  • 年月日: 2013-04-27
• [学会発表] 再構成糖鎖プロファイルによるメタボリックシンドローム関連疾患の評価 (2012)
  • 著者名/発表者名: 山谷健太,伊藤幸成,平野真,戸谷希一郎
  • 学会等名: 第85回日本生化学会大会
  • 発表場所: 福岡国際会議場・マリンメッセ福岡(福岡)
  • 年月日: 20121214-16
• [学会発表] Effects of macromolecular crowding on the sequential glycan processing pathway (2012)
  • 著者名/発表者名: Kiichiro Totani, Hikaru Matsushima, Makoto Hirano, Yukishige Ito
  • 学会等名: 6^<th> International symposium"Molecular Science of Fluctuations toward Biological Functions"
  • 発表場所: Kyoto Terrsa (Japan)
  • 年月日: 20121205-06
• [学会発表] UGGTのアグリコン特異性解析を志向した糖ペプチドの合成研究 (2012)
  • 著者名/発表者名: 工藤貴弥,石原俊洋,平野真,戸谷希一郎
  • 学会等名: 第64回有機合成化学協会関東支部シンポジウム
  • 発表場所: 長岡技術科学大学(新潟)
  • 年月日: 20121201-02
• [学会発表] レクチン様分子シャペロンカルレティキュリンのアグリコン特異性解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 足立優花,伊藤幸成,平野真,戸谷希一郎
  • 学会等名: 第31回日本糖質学会年会
  • 発表場所: 鹿児島市民文化ホール(鹿児島)
  • 年月日: 20120917-20
• [学会発表] 合成基質を用いたエンドマンノシダーゼの機能解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 渡邊千惠,岩本将吾,伊藤幸成,平野真,戸谷希一郎
  • 学会等名: 第31回日本糖質学会年会
  • 発表場所: 鹿児島市民文化ホール(鹿児島)
  • 年月日: 20120917-20
• [学会発表] 分子クラウディング環境における小胞体酵素群によるN-結合型糖鎖のプロセシング (2012)
  • 著者名/発表者名: 平野真,松島光,伊藤幸成,戸谷希一郎
  • 学会等名: 第31回日本糖質学会年会
  • 発表場所: 鹿児島市民文化ホール(鹿児島)
  • 年月日: 20120917-20
• [学会発表] Specificity analysis of calreticulin, alectin-like molecular chaperone, based on thermal shift assay (2012)
  • 著者名/発表者名: Yuka Adachi, Yukishige Ito, Makoto Hirano, Kiichiro Totani
  • 学会等名: 26^<th> International Carbohydrate Symposium
  • 発表場所: Melia Castilla Madrid (Spain)
  • 年月日: 20120722-27
• [学会発表] Functional analysis of endo-mannosidase using synthetic glycoprobes (2012)
  • 著者名/発表者名: Chie Watanabe, Shogo Iwamoto, Yukishige Ito, Makoto Hirano, Kiichiro Totani
  • 学会等名: 26^<th> International Carbohydrate Symposium
  • 発表場所: Melia Castilla Madrid (Spain)
  • 年月日: 20120722-27
• [学会発表] 合成糖鎖プローブを用いたエンドマンノシダーゼの機能解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 渡邊千惠,岩本将吾,戸谷希一郎
  • 学会等名: 日本化学会第92春季年会
  • 発表場所: 慶應義塾大学(神奈川)
  • 年月日: 20120315-18
• [学会発表] サーマルシフトアッセイによるレクチン様分子シャペロンカルレティキュリンの特異性解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 足立優花,伊藤幸成,戸谷希一郎
  • 学会等名: 日本化学会第92春季年会
  • 発表場所: 慶應義塾大学(神奈川)
  • 年月日: 20120315-18
• [学会発表] 糖タンパク質糖鎖機能解析に向けた合成化学的アプローチ (2012)
  • 著者名/発表者名: 戸谷希一郎
  • 学会等名: 東海大学糖鎖科学研究所セミナー
  • 発表場所: 東海大学糖鎖科学研究所(神奈川)
  • 年月日: 2012-12-13
• [学会発表] 糖タンパク質糖鎖機能解析に向けた合成化学的アプローチ (2012)
  • 著者名/発表者名: 戸谷希一郎
  • 学会等名: サントリー生物有機化学研究所シンポジウム「生命機能を探る分子:ユニークなプローブ分子の設計と合成」
  • 発表場所: サントリー研究センター大会議室(大阪)
  • 年月日: 2012-08-27
• [学会発表] サーマルシフトアッセイによるレクチン様分子シャペロンカルレティキュリンの相互作用解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 足立優花,伊藤幸成,戸谷希一郎
  • 学会等名: 日本化学会第5回関東支部大会
  • 発表場所: 東京農工大学(東京)
  • 年月日: 20110830-31
• [学会発表] エンドマンノシダーゼの探索を志向した分子プローブの合成研究 (2011)
  • 著者名/発表者名: 渡邊千惠,岩本将吾,戸谷希一郎
  • 学会等名: 日本化学会第5回関東支部大会
  • 発表場所: 東京農工大学(東京)
  • 年月日: 20110830-31
• [学会発表] The ER glycan processing profile correlate with type II diabetes (2011)
  • 著者名/発表者名: Shogo Iwamoto, Yukishige Ito, Kiichiro Totani, Ichiro Matsuo
  • 学会等名: 21^<st> International Symposium on Glycocojugates at University of Vienna
  • 発表場所: Vienna (Austria)
  • 年月日: 20110821-26
• [学会発表] Top-down and bottom-up approaches to understanding glycan processing in the ER (2011)
  • 著者名/発表者名: Kiichiro Totani, Shogo Iwamoto, Hikaru Matsushima, Miho Isoyama, Yukishige Ito
  • 学会等名: 21^<st> International Symposium on Glycocojugates at University of Vienna
  • 発表場所: Vienna (Austria)
  • 年月日: 20110821-26
• [学会発表] 再構成糖鎖プロファイルを用いた小胞体ストレス関連疾患の解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 戸谷希一郎,岩本将吾,磯山美穂,松尾一郎,伊藤幸成
  • 学会等名: 第30回日本糖質学会年会
  • 発表場所: ハイブ長岡・長岡リリックホール(新潟)
  • 年月日: 20110711-13
• [学会発表] 合成糖鎖を用いた糖鎖プロファイル再構成による疾患評価 (2011)
  • 著者名/発表者名: 戸谷希一郎,岩本将吾,磯山美穂,伊藤幸成
  • 学会等名: 日本ケミカルバイオロジー学会第6回年会
  • 発表場所: 東京工業大学(東京)
  • 年月日: 20110523-25
• [学会発表] Top-down and bottom-up approaches to understanding glycan processing in the ER (2011)
  • 著者名/発表者名: Kiichiro Totani, Shogo Iwamoto, Hikaru Matsushima, Miho Isoyama, Yukishige Ito
  • 学会等名: Second Joint Austria/Japan Seminar on Comparative and Developmental Glycobiology at University of Natural Resources and Life Science
  • 発表場所: Vienna (Aistria)
  • 年月日: 2011-08-20
• [図書] 糖タンパク質品質管理の稼働状況を知る～化学合成基質による糖鎖プロファイルの再構成～,糖鎖の新機能開発・応用ハンドブック;秋吉一成監修 (2014)
  • 著者名/発表者名: 岩本将吾, 松尾一郎, 戸谷希一郎
  • 出版者: NTS : 東京 (印刷中)
• [図書] 高マンノース型糖鎖の合成とバイオロジーへの展開,第三の生命鎖糖鎖の機能と疾患;門松健治/遠藤玉夫/岡昌吾/北川裕之監修 (2013)
  • 著者名/発表者名: 武田陽一,戸谷希一郎,伊藤幸成
  • 総ページ数: 160-168
  • 出版者: 羊土社 : 東京
• [図書] 1,4-Addition of nucleophiles toα,β-unsaturated carbonyl compounds, Carbohydrates-Tools for Stereoselective Synthesis; M.M.K. Boysen (Ed.) (2013)
  • 著者名/発表者名: Kiichiro Totani, Kin-ichi Tadano
  • 総ページ数: 27-46
  • 出版者: Wiley-VCH Weinheim
• [備考] ホームページ等
  • URL: http://www.ml.seikei.ac.jp/totanilab/Totani_Lab/Home.html