現代中国は法が規定する権利しか保護せず、その保護を求める行動にも法が規定する手続きの完全な順守を求める構造がある。 労働権は現代中国法の権利の原型であり、この構造は労働権の形成過程の分析から論証できる。法が規定しない労働力の提供は労働権としての合法な対価でなく、労働権として保護されない。私たちの権利論との違いは、現代中国の権利論が法の与える合法性に支えられている点にある。立法権の独占に特徴がある。つまり、少数の立法関係者が合法性の付与権限を独占しているのである。 今日中国が係わる諸問題の根本の問題は、現代中国の権利論から「法による支配から法の支配への移行」を促す論理を見出せない点にある。
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