研究課題
前年度で主観的満足度を報告させる実験を実施したが、それをもとに主観的効用モデルの中に含まれる「社会効用」に関する項の関係を明らかにするために、離散的社会効用選択課題を作成した。その課題から推定される「社会効用パラメータ」と脳機能の関係を明らかにするために、まずは大規模アンケート調査を実施し、極端な社会効用パラメータを持つ被験者群を同定した。さらにそれらの被験者らの、社会効用選択実験中の脳活動をfMRIにて測定し、解析を行った。その結果、「相手の性別」によって社会効用パラメータと脳活動の関係が被験者の性別によって異なることが分かった。この結果は、主観的効用の社会効用の項には「性別」という個人属性が影響を与えることを示唆しており、主観的効用モデルの同定には重要な成果である。
3: やや遅れている
主観的効用の計算に関わる部位の同定及び、それらの個人属性による違いが出る部位の同定という目的は達成したが、それらの活動を外部から人為的に操作する実験に関しては、平成25年12月に、平成26年1月より機関の移動が決定し、TMS装置の購入および実験に関して移動先での検討の必要が生じたため、またTMS実験の代わりとなるfMRI実験の可能性が生じ、TMS実験の検討と新たなfMRI実験の検討をする必要が生じたためにやや遅れている。
TMS実験の代わりとなるfMRI実験(ニューロフィードバック実験)の検討が進んでおり、今後は実験パラダイムの予備検討に入る。細かいパラダイムが決定でき次第、異なる個人属性を持つ被験者のスクリーニング及びニューロフィードバック実験の実施に入る。
すべて 2012 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
Neuropsychobiology
巻: 65 (2) ページ: 55-64
10.1159/000328990