神経経済学の手法を用いた「幸福度指標」の確立

2013 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 23683005
• 研究機関: 株式会社国際電気通信基礎技術研究所
• 研究代表者: 川脇 沙織(田中沙織) 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主任研究員 (00505985)
• 研究期間 (年度): 2011-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: 幸福度 / 神経経済学

研究実績の概要

主観的効用の計算に関わる部位の同定および、それらの個人属性による違いが出る部位の同定を行い、それらの活動を外部から人為的に操作する実験として、fMRIによるニューロフィードバック実験の検討と実験を実施した。主観的効用による意思決定に関わる部位として線条体の活動を反映するフィードバック信号をリアルタイムに被験者に表示し、被験者はそれをもとに自身で線条体の活動を変化させる。フィードバック信号は目標とする脳活動との類似度を用いた。4日間のトレーニングの後、意思決定に関わる行動指標の変化を調べた。4名の被験者に予備的に実施した。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

主観的効用の計算に関わる部位の同定および、それらの個人属性による違いが出る部位の同定を行い、それらの活動を外部から人為的に操作する実験として、fMRIによるニューロフィードバック実験の検討と実験を実施しており、おおむね計画通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

さらにニューロフィードバック実験の被験者数を増やしていく予定である。それによって操作前後の「主観的効用」モデルから予測される「満足度」を比較し、新しい幸福度の指標としての評価を行う。

研究成果

• [雑誌論文] Computational model of dopamine and serotonin in decision making (2013)
  • 著者名/発表者名: Saori C. Tanaka
  • 雑誌名: 日本生物学的精神医学会誌 巻: 24 ページ: 80,88
  • DOI: 2186-6619
• [学会発表] Prediction of immediate and Future Rewards Differently Recruits Cortico-Basa lGanglia Loops (2014)
  • 著者名/発表者名: 田中 沙織
  • 学会等名: 『行動経済学・行動ファイナンスの発展』 コンファレンス
  • 発表場所: 大阪大学中ノ島センター（大阪府）
  • 年月日: 2014-02-14 – 2014-02-15
  • 招待講演
• [学会発表] Neurocomputational model for reward prediction and decision making (2013)
  • 著者名/発表者名: Saori C. Tanaka
  • 学会等名: 11th World Congress of Biological Psychiatry
  • 発表場所: 京都国際会議場（京都府）
  • 年月日: 2013-06-24
• [学会発表] Striatal event-related activity reflects intrinsic discount rate in a multi-step reward task (2013)
  • 著者名/発表者名: Saori C. Tanaka, Masanori Takaoka, Hiroyasu Yoneda, Kazuki Enomoto, Kazuyuki Samejima, Masahiko Haruno, Munoru Kimura, and Fumio Ohtake
  • 学会等名: Neuro 2013
  • 発表場所: 京都国際会議場（京都府）
  • 年月日: 2013-06-20
• [図書] 行動経済学：伝統的経済学との統合による新しい経済学を目指して (2014)
  • 著者名/発表者名: 大垣昌夫, 田中沙織
  • 総ページ数: 280
  • 出版者: 有斐閣