都市部の高齢者が,活動や交流においてどのようにインターネットを位置付けているかを明らかにすることを目的とした. 分析の結果,①電子メールを介して交流する他者には「趣味や余暇活動を通じての友人・知人」「(元を含む)職場関係の友人・知人」が多いため,他者には,住所も本名も知らない人が1割以上含まれた,②それらの他者は,交遊や形式的なお付き合いが多く,手段的・情緒的サポートの提供者は僅かなことが,示された,③また,既知のつながりの維持・強化,自身の想いや知識の承認を行う手段としてインターネットを利用していた.老いを自覚していくなかで,今後の人生に向けた老いを見据えた可能性をインターネットに感じていた.
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