研究課題
本研究では、生後3年間の社会的認知の定型発達過程とその逸脱について、縦断的かつ実証的に解明することを目的とする。本年度は昨年度に引き続き、発達及び関連要因に関する実験・検査を実施した。今年度は、乳幼児が同種であるヒトに対していつから特異的な注目を向けるのかについて、体系的な検討結果を公表した。具体的には、生後1ヶ月児にヒト―サルを対提示し選好注視法で注視時間を測定した。その結果、成体の場合は人種を問わずにヒトを選好したが、幼体の場合にはいずれにも選好がなかった。そこで、同じ実験を3ヶ月児に実施したところ、幼体でも成体でもヒトを選好した。この結果から、ヒトは生まれながらにしてすぐにヒトを注目するのではなく、人への関心は発達的に変化していくことを示した。本研究結果はDevelopmental Psychology誌に投稿し、受理が決まった。
2: おおむね順調に進展している
昨年度以前から本研究にご参加くださっている被験者のほとんどがドロップアウトせず、継続的なご協力をいただいている。当初の計画通り、おおむね順調にデータ収集がすすんでいる。
研究計画の変更は予定していない。適宜、実験補助や分析補助の人員を増員しながらデータ収集及び分析を進めて、更に新たな知見を創出する予定である。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件)
Developmental Psychology
巻: 50 ページ: 979-985
10.1037/a0035205
発達心理学研究
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