本研究では、生後三年間における社会的認知発達について縦断的に検討した。得られた成果の一つは、身体模倣と他者意図理解との発達的関連である。他者意図理解を早く示す子どもの方が対象物を用いない身体模倣を早く示すようになるのかについて検討した。その結果、15ヶ月時点で他者意図をより理解していた群は、17ヶ月時点で身体模倣を多く示したが対象物模倣とは関連がなかった。身体模倣は、対象物模倣と異なって、意図理解能力が関連しているといえる。本知見から、理論で想定されてきた発達的関連性の一部について縦断的な検証結果が示された。自閉症における身体模倣の困難性及びその支援を考慮するうえでも意義がある。
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