攻撃行動に関わる神経伝達物質として、セロトニンは他のどの神経伝達物質よりも着目されている。一方で、実際に攻撃行動を示している最中に、セロトニン神経系がどのような制御を受けているかは明らかになっていない。本研究では光遺伝学的手法を用いて、背側縫線核セロトニン神経系の興奮、抑制が攻撃行動をどのように変化させるかを直接的に検証することを目指した。また、薬理学的手法を用いて背側縫線核がどのような入力を受けたときに攻撃行動が過剰になるかを解析し、グルタミン酸入力が攻撃行動の程度を決定することが明らかとなった。加えて、順遺伝学的手法を用いて、過剰な攻撃行動に関わる遺伝子座の1つを15番染色体上に同定した。
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