研究課題/領域番号 |
23683023
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北村 友人 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30362221)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 高等教育 / 国際化 / 地域化 / アジア / アフリカ |
研究概要 |
本研究は、アジア・アフリカにおける高等教育の「地域化」がどのように進展しているのか、そして地域間でいかなる相違がみられるのかについて、各国の事例も踏まえて実証的に明らかにすることを目指している国際比較研究である。本研究では、(1) アジアとアフリカでの実地調査ならびに国際機関等における訪問調査、(2))アジア・アフリカの高等教育の地域化に関する指標開発・データベース化、(3)研究成果の公表・発信(論文・書籍の執筆、学会発表、国際会議の開催)という、主に3つの取り組みを進めている。急速に域内連係を深めているアジア・アフリカの高等教育の現状について、それぞれの域内の状況を現地調査にもとづき明らかにするとともに、国際的な地域間の比較検証を行っていることが、本研究の独創的な点である。 また、「地域化」の問題を考えるうえで「サブ地域」の問題についても目を向けることの重要性が明らかになったため、これまではとくにアジア地域におけるカンボジアやラオスでの調査を行うことで、インドシナ地域のなかでの「サブ地域化」の現状を明らかにしている。これらの調査においては、James Williams准教授(ジョージ・ワシントン大学)、Chhinh Sitha博士(王立プノンペン大学)、廣里恭史博士(アジア開発銀行)などの協力を得て、国際共同研究として実施してきた。 こうした研究の成果は、カンボジアの高等教育に関する英語論文として公刊するとともに、本研究で得られた知見を活かした研究成果として、2014年4月に国際的な学術出版社であるSpringer社から編著書を刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ここまでのところ、研究はおおむね順調に進展している。とくに、アジア地域の高等教育の国際化・地域化の現状については、カンボジアを中心とした現地調査などで得られた知見を活かして、研究成果を公表してきた。とくに、英語による書籍の刊行によって、国際的にも発信しているといえる。 その一方、アフリカ地域の状況に関しては、いまだ十分な調査を進めることができていないことは、今後の課題である。当初は、アジアとアフリカの調査を並行して進めていく予定であったが、まずはアジア地域の現状について明確に把握することが必要であることが研究を始めて明らかになったため、これまではアジアを主軸に研究を進めてきた。
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今後の研究の推進方策 |
ここまでアジア地域の調査については順調に研究成果を積み上げてきたが、アフリカ地域の調査が未だ十分に進んでいるとは言い難い。そこで、平成26年度は、アジアでの調査を継続しつつ、アフリカ地域の調査も強化していきたいと考えている。 また、平成26年度は本研究の最終年度でもあるため、引き続き積極的に論文・学術書等の刊行を目指していくとともに、国際ワークショップを開催してこれまでの研究の知見を共有・発信するとともに、研究者ネットワークの強化を図っていく予定である。
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