アジアの高等教育の国際化と地域化の現状について、これまでの研究成果を踏まえて学術論文ならびに書籍として発表した。とくに、アジアでも東南アジア地域に焦点をあて、高等教育の国際化・地域化が進展している様子を東南アジア教育大臣機構やアセアン大学ネットワークなどの地域的な連携枠組みを具体例として挙げながら、その成果と課題を明らかにした。その際、とくにカンボジアに焦点をあて、東南アジアでの高等教育の国際化・地域化の進展をより具体的な例にもとづき描き出した。 また、いかに日本の大学がこれらの連携枠組みと関係しながら、アジアの国際的なネットワークに徐々に参加しつつあるか、さらにはそうした取り組みを文部科学省を中心に日本政府がどのようにサポートしようとしているのかについても論じた。 これらの研究成果は、国内では日本学生支援機構の論文集などに論考を発表し、国際的にはSpringer社から編著を刊行した。そうすることで、当初の研究目的を一定レベルで達成することができたと考える。 加えて、研究代表者は「高等教育の流動性と質保証に関するASEAN+3作業部会」に日本政府代表として参加しているが、こうした実務においても本科研の研究成果を生かすことができている。 このようにアジアの高等教育の国際化と地域化に関しては当初の予定通りの研究成果を上げることができた。また、アフリカでも高等教育の国際化・地域化が活発に進んでおり、そうした状況について本研究を通して一定の知見を得ることができた。これらの知見を今後の研究にも十分に生かしていきたい。
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