研究課題/領域番号 |
23684004
|
研究種目 |
若手研究(A)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 誠 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70312634)
|
キーワード | 偏微分方程式 / 非線形 / 初期値問題 / 境界値問題 / 波動方程式 |
研究概要 |
1.重み付き冪乗型の非線形項をCaffarelli-Kohn-Nirenberg不等式を用いて評価する方法を考察した。また、関連してMoser-Trudinger不等式が重み付きの関数空間において成り立つかについて考察を行った。応用として重み付き指数関数型非線形項の評価を行い、この型の非線形項を持つクライン・ゴルドン方程式の初期値問題を考察した。 2.半相対論的シュレディンガー方程式に対して、ストリッカーツ評価のプリアドミッシブルペアを用いた非線形項評価を構成し、散乱問題を考察した。 3.零条件を満たす非線形項を持つ波動方程式の大域解の存在証明を、光錐に沿う接微分を用いた重み付きエネルギー評価を用いて考察した。また、対応する外部問題を考察し、Klainerman-Sobolev型の埋蔵定理を使用した証明について考察した。 4.発散型の非線形項を持つ熱方程式の初期値問題を、ベゾフ空間を用いて考察し、長時間解が現れる臨界について調べ、初期値問題の適切性と非適切性について考察を行った。 5.熱方程式、複素ギンツバーグ・ランダウ方程式、消散型波動方程式に対して、冪乗型の非線形項を考えた場合の初期値問題をソボレフ空間の枠組みで考察し、特に、ソボレフ空間における尺度不変性の原理の下での臨界的な非線形項に対する小さい時間大域解の存在を示した。同様の考察は分散型方程式や波動方程式などで既に考察したが放物型方程式に対しても類似の考察が行えることを示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本震災により年度初めより暫く研究が行えない状況であったが、年度半ばより研究計画に沿った研究を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
論文として投稿段階あるいは印刷段階にあるような最新の研究動向を調べることを目的の一つとして、各地で開催される研究集会に参加し、講演者および参加者との研究討論を行う予定である。また、共同研究者を訪問または招聘し、研究討論を行う予定である。
|