研究課題
本研究では、木曽シュミット望遠鏡(長野県木曽郡)とIRSF望遠鏡(南アフリカ)を用いた南北両半球での銀河系変光星探査と、すばる望遠鏡などでの分光追観測による変光星の運動・化学組成測定を行い、銀河系の構造と進化についての調査を進めた。IRSF望遠鏡では、2012年度までにほぼ終了していた観測のデータの解析を進め、5000個以上の変光星を発見した(論文執筆中)。木曽シュミット望遠鏡では、2012年4月から超広視野モザイクCCDカメラ(KWFC)を用いた銀河系円盤領域320平方度の変光星探査を実施している。2013年度にも100夜程度の観測がアロケートされ共同研究者らとともに観測を行った。このうち、天候がよくて実際に観測が行えたのは3割程度であるが、予定通り15回程度の反復観測データが得られた。データ解析のツール開発のため、3回の合宿型研究会を木曽観測所で開催し、国内各機関の研究者と協力しながら、変光星を検出するための解析システムをほぼ完成させた。現在、2年間のデータを解析しているところで、これまでに数千個の変光星を発見している。また、発見した変光星の性質を明らかにするため、国立天文台岡山天体物理観測所および兵庫県立大学西はりま天文台での分光観測を実施した。2013年7月に予定されていたハワイ観測所すばる望遠鏡での観測については、残念ながら観測装置の不調のためデータを得ることが出来なかった。2012年までに得ていたすばる望遠鏡でのデータについては、今年度解析を進め、銀河系中心の周囲にあるセファイド変光星の運動を明らかにした(論文執筆中)。一方、化学組成を計測するための解析手法も理論モデルとの比較を含めて、国内外の研究者と議論を行いながら進めてきた。2013年6月には、3週間ローマに滞在して、研究協力者であるイタリア・ローマ大学のジュゼッペ・ボノ教授らとの共同研究を進めた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature
巻: 509 ページ: in press
10.1038/nature13246
Proceedings of the International Astronomical Union, IAU Symposium
巻: 289 ページ: 109-115
10.1017/S1743921312021217