研究課題
すばる望遠鏡の新観測装置FMOSが稼働を始め、このFMOSを用いた大規模な高赤方偏移銀河サーベイと、それによる宇宙論、特にダークエネルギーの研究プロジェクトが始まった。赤方偏移空間の歪みの解析から重力理論の宇宙論的スケールでの検証を行うものである。これらはダークエネルギーという大問題の解決のために世界的に最も期待されているアプローチの一つである。本研究では、このプロジェクトの推進を理論とデータ解析の側面から強力にサポートし、科学的成果のとりまとめや成果の発表において中心的役割を果たさんとするものである。戦略枠観測は平成23年度末から始まり、24年度もおおむね順調に進み、全体の半分程度のデータを取得できた。また、データの解析や輝線の自動検出プログラムなどの整備も進み、我々の目指す四上最遠方の銀河三次元地図の最初のバージョンを出すことが出来た。すでに銀河の相関関数やパワースペクトルなどの解析も始まっており、上々の結果が出ている。また、サーベイの途中経過報告を国内外の各種の学会、研究会で行い、本計画のプレゼンス向上させた。宇宙論的な示唆を導くための下準備や、系統誤差の詳細かつ具体的な検討を行った。また、ハワイでの観測のための渡航や、コラボレーションミーティング、研究発表のための旅費に使用した。必要に応じて、解析用のパソコンやデータ保存用のハードディスクなどの物品、消耗品なども購入した。人件費は、観測準備作業などに携わった数名の大学院生への謝金などに使用した。
2: おおむね順調に進展している
平成23年3月より、二年間の予定でサーベイが進んでおり、予定通り、平成24年3月までに全体の半分程度のデータが取得済みである。また、試験的なデータ解析で、ほぼ予想通りの結果も得られている。従って、ほぼ予定通り、順調に進んでいると言える。
平成25年度で予定のサーベイを完了し、最終年度の平成26年度はデータの集約及び論文の作成、成果公表にあてる予定である。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
巻: Volume 426, Issue 3, ページ: pp. 1782-1792.
10.1111/j.1365-2966.2012.21777.x
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/Fastsound/