高感度の宇宙X線観測には、天体からの微弱なX線を集光結像する望遠鏡が欠かせない。我々は世界最軽量のX線望遠鏡として、日本が世界をリードするマイクロマシン技術を用いた独自の手法を考案し、開発を進めてきた。厚み数百 μm の薄い基板に、数十 μm の微細穴を形成し、側壁を反射鏡として利用する。我々は本手法で世界で初めてX線反射と結像を実証してきた。本研究ではこれを発展し、1回反射型光学系の分解能と反射率の向上と、本手法で世界初の2段望遠鏡の製作に成功した。さらに側壁に重金属膜を膜付けする新プロセスの実証、世界最大の微細穴光学系となる12インチ光学系の製作、衛星搭載検討および提案も行った。
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