研究課題
インフレーション宇宙論が予言する原始重力波を、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)偏光の精密観測によって測定する。CMB 偏光がつくる渦パターンがその決定的な証拠となる。平成26年3月に米国BICEP2実験によって``らしき信号''の発見が報告され、その観測の重要性が急激に高まった。``らしき信号''をインフレーション起源と決定づける為には、従来実験の10倍もの広い領域の観測を実現することが必須である。本研究はそれにむけた装置開発を行った。本研究により、2つの世界初「回転系での0.23ケルビン 到達」、「黒体偏光をつかった超伝導検出器の較正」 を達成できた。これらは最終目標のための重要なマイルストーンである。広い領域を観測する為のキーテクノロジーである、高速回転スキャンシステムと冷凍システムの統合試験を行った。高速回転系で、冷凍機を操作し0.23ケルビンに長期間維持できることを確認した。これは世界初の技術である。また、観測サイトを模擬した放射環境下で、回転変調する偏光信号を検出器に照射する較正実験を行い、偏光信号へ の応答を確認した。当初目標としていた、高速回転機構、冷凍装置、検出器、較正装置の4つのコンポーネント全てを統合した試験までは未到達であるが、4つのうち2つずつを統合したコミッショニングは達成できた。本研究を通して、検出器の読み出し多重度を改善すると言う新たな課題もあきらかにすることができ、その解決案を考案した。今後は、4つ全てを統合したコミッショニングを行い、本観測へとむけた開発を行っていく。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Low Temperature Physics
巻: Published Online 28, Feburary ページ: 1, 7
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