本研究では、遠く離れた量子ドット間のコヒーレントな単一電子輸送、飛行電荷量子ビットの多量子ビット化、電子スピンの非局所な量子もつれ状態の生成と検出を目指した。まず、表面弾性波を用いてデコヒーレンス時間よりも遥かに短い時間で遠く離れた量子ドット間で単一電子を移送させることに成功した。また、この技術を応用した単一電子単位の干渉実験に成功し、多量子ビット化への足かがりを得た。さらに、同技術によって量子もつれした2電子の分離、すなわち非局所量子もつれ状態の生成に成功した。また、干渉計を用いた位相測定をテーマとして加え、近藤状態にある量子ドットの伝播位相がpi/2になることを確認した。
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