研究課題
鉄ニクタイド系単結晶の超伝導に対する一軸圧効果は、低い圧力で高い超伝導転移温度を誘起している。このことから本研究では鉄オキシニクタイド超伝導体の単結晶を育成し圧力下物性測定を行うことで超伝導に対する圧力効果の機構を解明をめざす。これまでに多層構造を持つ新しいオキシニクタイドとしてSr2CrFe2As2O2の合成に成功した。多層構造をもつ他のオキシニクタイド、例えばSr4V2Fe2As2O6はドーピングは圧力印加なしで超伝導を示すが、Sr2CrFe2As2O2は超伝導を示さなかった。Sr2CrFe2As2O2に対して 、これまでの鉄オキシクニタイドの例を参考にCrサイトをV、FeサイトをCoで置換することでキャリアドーピングを試みた。これらのドーピングにより電気抵抗率の温度依存性はやや減少し金属的な振舞に近づいた。しかし超伝導の兆候は観測されなかった。高い電気抵抗率は焼結性の低さの影響もあると考えられる。またSr2CrFe2As2O2の単結晶育成をFeAsフラックスを用いて試みた。タングステン金属るつぼを用いたが,アルゴンガスフロー中にあっても,タングステンの融点以下でるつぼが溶け,単結晶育成は失敗した。微小試料の電気抵抗を効率よく測定するためにファンデルポー法による電気抵抗測定を可能とし,マイクロマニピュレータによる端子付けを行った試料を小型圧力セルに納め、極低温での電気抵抗とホール効果測定を可能とした。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Superconductor Science and Technology
巻: 26 ページ: 075001, 1-4
10.1088/0953-2048/26/7/075001