研究課題/領域番号 |
23684032
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鳥井 寿夫 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (40306535)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | レーザー冷却 / ストロンチウム / ホローカソードランプ / 速度変化衝突 |
研究実績の概要 |
ストロンチウムのレーザー冷却のための簡便なレーザー光源および分光システムを開発した。ストロンチウム原子の基底状態1S0と励起状態1P1間の遷移(波長461nm)のレーザー冷却用光源には、第二高調波発生がこれまで用いられてきた。近年、460nm帯の青色半導体レーザーが市販されるようになり、本研究では、この青色半導体レーザーを用いた外部共振器型半導体レーザーの特性を調べた。その結果、注入同期による適切な増幅を行えば、第二高調波発生に頼らずに、青色半導体レーザーのみでストロンチウムのレーザー冷却が可能であることがわかった(Rev.Sci.Instrum.84,063101 (2013))。また、ストロンチウムのレーザー冷却には、準安定状態である3P2準位に溜まった原子を基底状態に戻すためのリポンプ光が必要であるが、このリポンプ光の周波数安定化のための分光方法の開発も行った。原子源としては、ストロンチウム原子を陰極に含むホローカソードランプを用いた。リポンプ光遷移として3P2-3D2遷移の飽和分光を試みたが、市販品のホローカソードランプではバッファガスのネオン原子との速度変化衝突によってラムディップが観測できないことが明らかになった。そこで、バッファガスを3.5Torrにまで減圧した特注のホローカソードランプを用意して飽和分光を試みたところ、周波数安定化に十分な信号対雑音比でラムディップの微分信号を観測することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたRb87原子では、2体衝突の影響から原子のコヒーレンス時間が制限され、量子原子光学の研究に最適ではないことが判明した。そして、量子原子光学に適切な原子種として、ストロンチウム原子を選択し、新たな光学システムを立ち上げる必要が生じたため、研究に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
ストロンチウム原子のレーザー冷却システムを早急に立ち上げる。初段のレーザー冷却(461nm)およびリポンプ光の準備は、ほぼ完了した。今後は、2段階目のスピン禁制遷移(689nm)を用いたレーザー冷却のための光源システムを構築する。レーザー線幅を1kHz以下まで狭窄化する技術として、通常の光共振器を用いずに、原子コヒーレンスを用いる手法を試みる。
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