研究課題
本研究では光の量子状態を保持したまま波長変換を行う量子波長変換を実現し、これを利用した新規な量子情報技術の研究を推進した。大規模な量子情報処理の実現には光通信を利用した物質系間の量子状態の交換が重要となる。しかし、これまで物質系からの発光を利用した非古典光の発生は可視光領域が多く、赤外領域にある光通信波長域とは大きなギャップがあった。この量子波長変換を用いることで、このギャップを埋め物質系からの量子状態を光通信を用いてより長距離に運ぶことが可能となる。また、量子波長変換を組み合わせることで波長量子状態の発生や検出が可能になるため、これを利用した新たな量子情報技術の可能性が拓ける。本年度は導波路PPLN を用いて2つの780nm 光子から変換された2つの通信波長帯光子が高い識別不可能性をもち、非古典的な干渉性を示すことを確認した。また、Rb原子のD1 線795nm の量子波長変換についての実証実験を行い良好な結果を得ることができた。また、新たな試みとして、更に最近盛んに行われてきているダイアモンドのNVセンターからの単一光子発生の波長である637nmでも波長変換実験を行い、通信波長光子への波長変換の可能性を見出した。更に、波長(周波数)自由度での量子状態操作に必要な非変換光のコヒーレンスの保持を確認することができた。Rb冷却原子を用いた場合の量子波長変換の実現可能性を見積もり良好な結果を得た。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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