ガラス転移とは金属・高分子・分子性液体などに共通してみられる液体状態から液体の不規則構造がそのまま凍結したアモルファス状固体への転移である.特に融解点以下に過冷却されると,粘性率や緩和時間といった輸送係数が急激に増大し発散を伴ってガラス転移を示すとされている.本研究ではガラス転移の動力学において顕著となる動的不均一性の時空間構造を多点・多時間相関関数を用いた解析により決定し,さらにダイナミクスの温度依存性を特徴付けるフラジリティと呼ばれる係数の関係について解析をおこない,ガラス転移における動的不均一性の役割について系統的に考察した.
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