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2011 年度 実績報告書

糖鎖等の超高感度構造解析を目指した真空紫外域での顕微円二色性計測装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23685007
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

田中 真人  独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 研究員 (30386643)

キーワード糖・糖鎖 / タンパク質 / 分子構造解析 / 真空紫外線 / 物性実験 / キラリティ / 化学物理 / バイオ関連機器
研究概要

本研究は円二色性分光装置と顕微装置とを組み合わせた画期的な計測システムの開発と、それによる糖鎖や希少タンパク質(例えばアミロイドタンパク質、膜タンパク質)など重要な生体分子の真空紫外領域における円二色性の計測とそれによる分子構造解析を目的とするものである。本課題の遂行から、将来的には真空紫外円二色性計測による分子構造解析とそれを基にした薬剤開発などの分野での貢献を目指している。
本年度は真空紫外領域における円二色性分光装置とそれに顕微装置を組み合わせた計測システムの設計ならびにその開発を主に進めてきた。
本年度設計・開発した装置は光源としてまず通常の真空紫外ランプの利用を念頭においた。分光器からの真空紫外光の方向を二枚の反射鏡で水平方向から鉛直下方向に変えることで、試料の水平配置を可能にした。その光を直線偏光子と光弾性変調子を用いて、円偏光状態にした。この時左右円偏光状態は約50キロヘルツで切り替わるが、それと同じ周波数の信号成分だけをロックインアンプで検出することで微小な円二色性信号を計測するシステムを構築した。このシステムを用いて、縮小光学系を入れない場合における真空紫外領域での生体分子試料の円二色性スペクトル計測(波長範囲140~300ナノメートル)に成功した。逆のキラリティの試料で対称なスペクトルの計測を確認することなどから、このシステムの正確性を証明した。また上記システムには除震装置が備えられている。さらに真空雰囲気だけでなく窒素雰囲気にも対応可能かつ縮小光学系の導入も可能である。次年度は縮小光学系を入れた系における円二色性計測とそのための光学系の整備・調整を行う予定である。
以上のように当初の研究実施計画に即した研究成果を得ることに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

真空紫外域における円二色性計測が可能、かつ縮小光学系の導入が可能な計測システムの設計・開発とその評価といった本研究の基礎となる計測装置の構築に成功しており、概ね順調に研究目的を達成しているといえる。

今後の研究の推進方策

次年度はまず、縮小光学系を導入した系における円二色性計測とそのための光学系の調整と装置の高度化を行う。この結果を基にして、希少な生体分子試料の計測を始めていく。これらより本研究目的を達成させる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] アンジュレータ放射光による真空紫外~軟X線領域における自然二色性研究2011

    • 著者名/発表者名
      田中真人
    • 雑誌名

      放射線化学

      巻: 92巻 ページ: 29-32

    • URL

      http://www.radiation-chemistry.org/kaishi/no92.html

    • 査読あり
  • [学会発表] 真空紫外円二色性測定によるタンパク質等キラル分子の立体構造解析2012

    • 著者名/発表者名
      田中真人
    • 学会等名
      平成23年度産総研産技連LS-BT合同研究発表会
    • 発表場所
      産業技術総合研究所(茨城県)
    • 年月日
      2012-01-31
  • [学会発表] 産総研TERASにおける偏光アンジュレータを用いた真空紫外円二色性計測ビームラインの総括と今後の展開2012

    • 著者名/発表者名
      田中真人、渡辺一寿、中川和道
    • 学会等名
      第25回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
    • 発表場所
      鳥栖市民文化会館・中央公民館(佐賀県)
    • 年月日
      2012-01-09
  • [学会発表] アミノ酸薄膜の真空紫外円二色性分光研究2011

    • 著者名/発表者名
      田中真人、渡辺一寿、中川和道
    • 学会等名
      第5回分子科学討論会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道)
    • 年月日
      2011-09-21
  • [学会発表] Experimental and theoretical study of circular dichroism of amino acid thin films in the vacuum-ultraviolet region2011

    • 著者名/発表者名
      田中真人、他7名
    • 学会等名
      The 23rd International Symposium on Chiral Discrimination (Chirality 2011)
    • 発表場所
      リバプール大学(イギリス)
    • 年月日
      2011-07-11
  • [学会発表] プロリン・ヒドロキシプロリンの円二色性分光による分子構造解析2011

    • 著者名/発表者名
      田中真人、他3名
    • 学会等名
      シンポジウム・モレキュラー・キラリティー2011
    • 発表場所
      東京工業大学(東京都)
    • 年月日
      2011-05-20
  • [備考]

    • URL

      http://staff.aist.go.jp/masahito-tanaka/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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