研究概要 |
我々は、前年度に,ロジウム触媒の存在下で,末端アルキンから容易に合成可能な1-スルホニル-1,2,3-トリアゾールに,アリルアルコールを作用させると,α-アリル-α-アミノケトンが生成することを見いだしている。今回、光学活性二級アリルアルコールを用いると,アリルアルコールからの不斉転写が起こり,光学活性α-アリル-α-アミノケトンが生成することを見いだした。次いで、この反応を利用して(-)-α-Conhydrine(毒人参から単離される植物アルカロイド)の不斉全合成を試み,1-ブチンから9工程でその合成を達成した。 また、CuTC錯体とRh2(OCOtBu)4錯体の存在下で5-フェニル-1-ペンチンにトシルアジドを作用させ,室温で12時間撹拌した後に,さらに80度で3時間加熱撹拌すると,3,4-縮環-3a,7a-ジヒドロインドール7gが収率78%で得られることを見いだした。さらに,光学活性なRh2(S-TCPTTL)4錯体を用いたところ,81% eeの光学純度で環化生成物が生成した。本手法は、麦角アルカロイドの基本骨格である3,4-縮環インドール骨格を末端アルキンから一挙に合成することできるため、医薬品開発の分野での応用が期待できる。
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