我々は、トリアゾールの環鎖互変異性により系中で生じる「α-ジアゾイミン」をα-イミノカルベン種の前駆体として利用できること発見し、アルキンとの反応を2009年に報告した。この報告は、米国のFokin、Gevorgyanらの報告とともに、トリアゾールの反応剤としての有用性を合成化学分野に提示し、その後指数級数的といえる追随研究を誘起するに至っている。本研究では、我々は特に末端アルキンを出発物質として用い、同時にあるいは順次複数の基質、反応剤、触媒を作用させ、一気に望みの化合物(含窒素へテロ環化合物)に到る、高効率的なワンポット反応の開発に成功した。
|