研究課題
N-アセチルグルコサミンの位置選択的な硫酸化を経て、硫酸化糖鎖高分子ライブラリー、硫酸化ナノゲル粒子のライブラリーの合成を行った。このうち、硫酸化糖鎖高分子ライブラリーを用いて、アルツハイマー病βセクレターゼの阻害効果を蛍光アッセイによって検討した。硫酸化糖鎖高分子ライブラリーについては、位置選択的な硫酸基の導入によって、酸性の度合い(pKa)自体が異なることがわかった。βセクレターゼの阻害活性は糖鎖高分子の糖鎖の構造と糖含有率によって異なり、糖含有率、硫酸密度ともに高いものが最も阻害活性が強く、既存の阻害剤と同等の機能を示すことがわかった。また、硫酸化糖鎖高分子ナノゲルを調製し、各種のタンパク質との結合についてスクリーニングした。糖鎖モノマーを用いて、多孔膜として高分子モノリスの作製を行った。この高分子モノリスはタンパク質の選択的な吸着容量が大きく、分離膜として優れた性能を示した。
2: おおむね順調に進展している
研究は各種硫酸化糖の合成を行い、ポリマーライブラリーの合成、ポリマーナノゲルライブラリーの合成とアッセイ、タンパク質分離膜などをこれまでに実現している。一方で、論文の出版については、高いインパクトファクターを狙うあまり、時間がかかっているので、なるべく早急に全ての結果を出版する。
先ず、成果の執筆と出版を引き続き急いで行う。また、硫酸化糖鎖高分子ライブラリーについては、タンパク質の解析を現在用いている、βセクレターゼだけでなく、アミロイドβ、細胞成長因子など加えて進める。モノマーの合成については、研究が最終年度であることから中断してポリマーとポリマーライブラリーの解析を中心に進める。
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