高分子の側鎖に糖鎖を結合させた、糖鎖高分子を用い、新規な生体機能性材料の開発を行った。細胞表面に生理活性多糖である、グリコサミノグリカンを高分子によって再構築して利用する手法の開発を行った。N-アセチルグルコサミンの位置選択的な硫酸化を経た上で、アクリルアミド誘導体とすることで、ラジカル重合によって、グリコサミノグリカン模倣分子の作製を行った。また、界面活性剤を加えて、N-イソプロピルアクリルアミドを加えることでナノゲル粒子を合成できるようになった。また、硫酸化糖鎖高分子が結合する、タンパク質について細胞表層に存在する、酵素と細胞成長因子、またインフルエンザウイルスとの結合について検討を行った。その上で、糖鎖高分子を用いた病原体を除去する材料として、多孔材料への糖鎖高分子のグラフト化を行った。また、高分子自体が分離膜になる基材として、糖鎖高分子モノリスの創製を行った。糖鎖高分子モノリスについては、DMSO中で、各種アルコールを加えるとそれがポロゲンとなり、多孔性高分子を得ることができた。
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