研究課題/領域番号 |
23685032
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
前田 大光 立命館大学, 薬学部, 准教授 (80388115)
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キーワード | π共役系 / イオン認識 / 超分子集合体 / 構造制御 / ピロール誘導体 |
研究概要 |
イオン認識能を有する空間制御可能(非環状)型π共役系オリゴピロールのデザイン・合成へと展開し、多様な次元性・階層性を有する組織構造・マテリアルの開発など、新機能の発現、新概念の提唱へ向けた端緒を切り拓いた。たとえば、レセプター分子に修飾アニオン(ベンゾエート誘導体)塩を共存させることによって、電荷積層型集合体を基盤とした中間相の発現が観測された。また、レセプター周辺にキラル部位を導入することによって、アニオン会合によって応答する円偏光発光(CPL)の増幅が観測された。一方、レセプターにアニオン部位を導入することによって、自己識別能を有する自己会合2量体の形成を実現した。さらに、エチニル基を基点とした共有結合および金属錯化2量体において、溶液中でアニオン駆動による[2+2]型らせん構造の形成を見出した。さらに、イオン認識能を有する空間制御可能(非環状)型π共役系分子を基盤とし、多様なイオンマテリアルの形成に成功した。すなわち、レセプター-アニオン会合体を「平面状アニオン」と見なし、それをビルディングブロックとした、カチオンとの交互積層構造や分離配置構造の寄与を有する集合体を新たに創製し、ホールおよび電子に対する両極性の輸送能(電気伝導性)を発現することも見出した。また、イオン問の相互作用の究極は共有結合形成であることから、カチオン(求電子性)とアニオン(求核性)を併せ持つ適切な双性イオンをデザイン・合成し、これをモノマーユニットとした動的共有結合ポリマー・環状オリゴマーの創製に成功した(論文投稿中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イオン認識能を有する空間制御可能(非環状)型π共役系オリゴピロールの合成を実施し、それをビルディングブロックとした集合体・イオンマテリアルの創製・物性評価に成功しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も空間制御可能(非環状)型π共役系オリゴピロールの合成を継続し、とくに双性イオンからなる動的共有結合ポリマーの機能化、さらに金属イオン架橋による電子・光機能イオンマテリアルの創製に焦点を当て、研究を推進したい。
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