研究課題
ピロール環を構成要素としたπ電子系に注目し、とくにイオン認識能を有するπ電子系を基軸として次元制御された組織構造の創製に挑戦した(総説:Chem. Commun. 2013(2報);BCSJ 2013)。集合体の構成ユニットとして電子機能性負電荷種を導入するには、無機アニオンと高い会合能を有するπ電子系のアニオン会合体を擬似的な平面状アニオンとして利用することが効果的である。われわれはアニオン認識能を有するπ電子系レセプター分子をビルディングブロックとして多様な集合体や組織構造を形成し、さらにレセプター–アニオン会合体と適切な対カチオンの共存によって、交互積層や分離配置型積層の寄与を有するカラムナー構造を形成することを、サーモトロピック液晶などの状態において明らかにした。このとき、構成する電荷種の規則配置に起因した半導体物性(電荷輸送能)も観測された(JACS 2013)。また、イオン性集合体の構成ユニットであるアニオン応答性π電子系として、放射状にπ電子系を配置したレセプターオリゴマー(Chem. Commun. 2013)、ボウル状π電子系(コラニュレン)を連結したレセプター(CAJ 2013)、側鎖にセミフルオロアルキル鎖を導入したπ電子系レセプター(Chem. Mater. 2013)、側鎖にキラルアルキル鎖を導入したπ電子系レセプター(CEJ 2013)などの合成に成功した。これらの溶液状態におけるアニオン会合挙動を基礎とし、バルク状態(サーモトロピック液晶相などの中間相)におけるアニオンフリーおよびイオンペア形成による集合化形態を放射光XRD測定によって解明し、また熱転移挙動を偏光顕微鏡や示差走査熱量測定により明らかにした。さらに、得られた材料の電荷輸送特性(半導体物性)を光励起・時間分解マイクロ波伝導度測定により評価し、集合化形態(π電子系の配置)との相関を見出した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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