研究課題
昨年度までに、当初計画していたカーボンナノジャングルジム構造の合成や、バインダーレス一体型電極の作製に成功している。さらに、ゼオライト鋳型炭素のエッジサイトには電解液中での分極中に大量の官能基が導入され、極めて大きい疑似容量を発現するという興味深い現象も見出している。そこで本年度はこの官能基導入のメカニズム解明やその酸化還元反応を利用した疑似キャパシタの検討を行った。まず、硫酸電解液中でのゼオライト鋳型炭素の分極挙動を検討した。ゼオライト鋳型炭素は0.4 V(vs. Ag/AgCl)以上の電位で激しく酸化され、大量のキノン基が導入されることを各種分析により明らかにした。このような挙動は他の活性炭には見られない、この炭素独自のものである。電気化学的酸化の際、この炭素のベーサル面への酸化は殆ど起こらずエッジ面のみが修飾されるため、導電性や構造規則性は損なわれないことも確認した。その結果、キノンを導入したゼオライト鋳型炭素は約400~500 F/gもの容量を示し、なおかつレート特性、サイクル特性共に非常に高性能を発揮した。次に、Et4N-BF4/PC電解液中での挙動を検討した。貴な方向に掃引するとやはりゼオライト鋳型炭素は酸化されることがわかった。分析の結果、酸化により含酸素官能基の量が増加していることを確認した。また、卑な方向に掃引しても含酸素官能基の量が増加することがわかった。電位範囲を限界まで広げると、ゼオライト鋳型炭素は大きな疑似容量を示し、最大330 F/gに達した。さらに、LiPF6/(EC+DEC)電解液中での挙動も検討し、Et4N-BF4/PC電解の場合と同じく疑似容量を発現することを確認した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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