高分子メソ多孔体は分離機能材料の有力な候補である。汎用の工業原材料から、経済的に適用可能な耐久性のある分離機能材料を作り出すことは、未だ挑戦的な研究課題である。本研究では、高分子溶液の凍結現象を研究し新しいナノ結晶化相分離法を開発した。さらにこの新手法を利用して、汎用高分子からネットワーク状ナノファイバー材料を作製することも成功した。この高分子多孔体は、ナノ細孔と著しく大きな比表面積を有し、ガスの高速吸脱着や選択的な蒸気の凝縮性能を有する。さらに、エンジニアリングプラスチックから作製したメソ多孔体は、水中に溶解したオイル分子に対して著しく大きな「吸着量の温度依存性」を示すことを見出した。
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