スピントロニクス分野ではMRAMやスピントルクRAMが注目を浴びている。とくにスピントルクRAMでは省電力な磁化反転技術として、スピン注入磁化反転を用いている。Slonczewskiは磁性絶縁体中に励起されるスピン波によって、高効率なスピン流生成が可能であることを示した。本研究ではエピタキシャルなフェライト層を含むMTJ素子の作製技術を確立するとともに、その磁気特性、および磁気抵抗効果の評価を行った。その結果、非磁性挿入層としてPtが適していることや、非磁性挿入により保磁力の増大が観測されるなどの新たな知見を得た。また電子線リソグラフィーを用いた微小素子を作製し、70%の磁気抵抗を観測した。
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