研究課題
本研究においては、テラヘルツ波パルスによるスピン制御を目指した光源開発や、テラヘルツ波パルスを用いた新規のスピン分光を進めてきた。高強度なテラヘルツ波パルスの開発は、スピン制御をおこなうために重要な要素である。我々は、本予算で導入したフェムト秒パルスレーザーを組み込んだレーザー増幅器を用いて、空気プラズマを用いる方法および非線形光学結晶LiNbO3を用いる方法の2つの方法で開発を進めた。空気プラズマを用いる方法にて、入射させる800nmと400nmの偏光を真ゼロ次波長板を用いて制御することにより、最大で1.4MV/cm という非常に高強度なテラヘルツ波光源の開発に成功した。また空気プラズマより、ラディアル偏光のTHzパルスの生成にも成功した。これまでYFeO3をはじめとしたオルソフェライトのTHz分光測定を行なってきた。ErFeO3を自らフローティングゾーン法で単結晶化し、その試料を用いて低温測定を行い、再配列転移の観測をテラヘルツ分光にて成功した。スピン配列が変わることによって、観測されるスピン歳差運動の振動モードが変化したり、放出されるテラヘルツ波の偏光が直線偏光から円偏光に変化するなど、高感度で超高速応答に応用可能な測定結果を得られた。これらの成果については、Physical Review Letters誌に掲載され、高く評価されていると考えている。パイロクロア型伝導体Pb2Ir2O7-xに光照射することでGaAsと同程度の強い第2次高調波(SHG)を観測することに成功した。その機構を電子状態から説明し、計算と合わせて報告した(PRL accepted)。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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