研究課題/領域番号 |
23686016
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
岩見 健太郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80514710)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | プラズモニクス / MEMS / マイクロシステム / 電子ビーム |
研究概要 |
電子線リソグラフィや電子顕微鏡検査の高速化のため、超並列微小電子源の開発が喫緊の課題となっている。しかし、多数並んだ電子源を電気的に個別制御することが難しく、実現に至っていない。申請者はこれまで、光学的に電子放出を制御する「プラズモン共鳴電子源」の原理を提案し、科学研究費補助金の支援を受けて研究を推進してきた。本申請では、この原理をさらに詳細に探求するとともに、この原理を発展させた「プラズモン超収束電子源」を確立する。さらに、光制御超並列電子源の実現に向け、①裏面からの光照射によって動作する電子源アレイの開発および②マイクロミラーアレイデバイスによる電子源アレイの個別光制御の2つに取り組む。24年度は以下の課題に取り組んだ。 I. 軸対称偏光照射に対するプラズモン共鳴特性と、裏面照射への応用 II.裏面光照射により動作するプラズモン共鳴電子源アレイの製作(小規模)の向上 目的のI.に関し、電子源を製作し、裏面からの光照射による電子ビーム放出制御を行った。この方式では、高屈折率媒質を先鋭化して金薄膜をコーティングすることにより電子源電極とし、電子源電極表面に絶縁膜と引き出し電極を配置した。複数の波長の照射による電子放出電流を測定した結果、プラズモン共鳴波長においてもっとも増強が大きくなることを確認した。また、目的のII.に関し、1万個程度の電子エミッタアレイに静電レンズを設けた電子源アレイ構造を製作した。さらにこの構造にプラズモン超収束を発生させるための金属ナノスリット型偏光変換素子を製作し、その性能を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題申請調書に記載した各年度におけるマイルストーン項目(本年度においては、目的のIおよびII)をおおむね達成しており、順調に推移している。 研究実績の概要に記載の通り、平成24年度は、 I. 軸対称偏光照射に対するプラズモン共鳴特性と、裏面照射への応用 II.裏面光照射により動作するプラズモン共鳴電子源アレイの製作(小規模)の向上 の2点をマイルストーン項目として推進した。目的のI.に関し、電子源を製作することができ、また励起光の裏面照射ではプラズモン共鳴波長においてもっとも増強が大きくなることを確認した。また、目的のII.に関し、1万個程度の電子エミッタアレイに静電レンズを設けた電子源アレイ構造を製作した。さらにこの構造にプラズモン超収束を発生させるための金属ナノスリット型偏光変換素子を製作し、その性能を評価した。
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今後の研究の推進方策 |
25年度以降は、申請調書記載の通り下記のマイルストーンについて研究に取り組む。 平成25 年度:V-a. 電子ビームリソグラフィへの応用(小規模電子源) IV-b. 裏面光照射により動作するプラズモン共鳴電子源アレイの製作(大規模) 平成26 年度:VI. DMD による電子線アレイの個別光制御 V-b. 電子ビームリソグラフィへの応用(大規模電子源)
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