固体材料の共鳴周波数を計測・逆解析することで、その材料の持つ二次弾性定数を決定する方法を超音波共鳴法という。本研究では、超音波共鳴法の基礎理論を非線形弾性体へ拡張するとともに、Ritz法に基づく数値解析を行った。その結果、非線形弾性体の共鳴振動が従来の点群・既約表現ではなく、カラー対称性を備えた磁性点群によって記述されることを明らかとした。また本理論を応用すれば、共鳴周波数の圧力依存性の実験計測とその逆解析によって、原理的にはほぼ全ての独立な三次弾性定数が決定できることを明らかとした。これらの成果は、本研究の主目的である非線形超音波共鳴法の基礎理論の完成を意味している。
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