研究課題/領域番号 |
23686029
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
玉野 真司 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40345947)
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キーワード | 流体工学 / 非ニュートン流体 / 乱流境界層 / 抵抗低減 / 省エネルギー / PIV / DNS / レオロジー |
研究概要 |
高レイノルズ数での平板上乱流境界層流れに、壁面から抵抗低減界面活性剤水溶液を注入した場合の速度場の詳細を明らかにし、抵抗低減メカニズムを解明することを本研究の目的としている。本研究目的を達成するため、平成23年度においては,以下の順序で研究を推進した。 1.高レイノルズ数乱流境界層の実現のための実験装置の設計と構築 2.LDV計測によるDR効果および乱流統計量の流れ方向変化の解明 1においては、全ての設計を完了し、現在、配管系を含めた実験装置を構築中である。 2においては、従来の実験装置を用いて、異なる複数の主流方向位置における主流方向および壁面垂直方向速度成分のLDV計測を実施し、以下の知見を得た。 ・壁面摩擦係数や形状係数などの境界層パラメータ、抵抗低減率、平均速度の流れ方向変化は、注入の場合と一様な界面活性剤水溶液の場合とでほぼ同じである。 ・主流方向乱れ強さの最大値は、注入の場合には流れ方向にほとんど変化しないのに対して、一様な場合には大きくなる。ただし、最大位置が壁面から離れる傾向は、両者で同じである。 ・壁面垂直方向乱れ強さの流れ方向変化について、注入・一様の場合にかかわらず、最大値は小さくなり、最大位置は壁面から離れる。 以上、平成23年度においてはまず、新実験装置の設計を完了し、現在は、配管系を含めた新装置の構築を進めている段階である。また同時に、従来の実験装置を用いて、壁面から界面活性剤水溶液を乱流境界層に注入した場合において、流れ方向位置が異なる複数のLDV計測を行い、乱流構造、抵抗低減率、および乱流統計量の流れ方向変化の詳細を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現時点で高レイノルズ数乱流境界層流れを実現するための新実験装置は未完成ながら、4件の国内会議および1件の国際会議での発表を行い、実験的アプローチおよび数値的アプローチともに一定の進展が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
バルブによる圧力調整機能を向上させ、テスト流路部における流れ方向圧力勾配の調整をより容易にすることで、実験をよりスムーズに行えるようにする。また、BMPモデルの数値安定性を向上させることにより、抵抗低減メカニズム解明のためのDNSによる研究を推進する。
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