研究課題/領域番号 |
23686029
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
玉野 真司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40345947)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 流体工学 / 非ニュートン流体 / 乱流境界層 / 抵抗低減 / 省エネルギー / PIV / DNS / レオロジー |
研究概要 |
高レイノルズ数での平板上乱流境界層流れに,壁面から抵抗低減界面活性剤水溶液を注入した場合の速度場の詳細を明らかにし,抵抗低減メカニズムを解明することを本研究の目的としている.本研究目的を達成するため,平成25年度においては,1.高レイノル ズ数乱流境界層流れの可視化観察およびPIV計測,2.直接数値シミュレーション(DNS)による現象解明,3.伸長粘度計測にレオロジー計測,について研究を推進した. 1については,まず,異なる設定主流速度において、流量調整バルブを利用した,流れ方向ゼロ圧力勾配調整手法を構築した.そして,可視化染料を用いた流れの可視化観察,ならびに主流方向および壁面垂直方向(x-y)断面のPIV計測を実施した。これらにより,界面活性剤を注入した場合,従来の低レイノルズ数流れの場合よりも大規模なシート状の乱流渦構造が壁面近傍に存在すること,また十分下流においては,再び乱れが生じ始めるという興味深い現象を見出すことができた. 2については,従来よりも計算領域を広げた乱流境界層のDNSを実施することで,流れ方向に抵抗低減率が変化する様子を再現することができた. 3については,液滴落下現象を利用した伸長粘度計を利用して,伸長粘度計測を行い,希薄界面活性剤水溶液の場合には伸長粘度が水のものよりも桁違いに大きくなることを示すことができた. 以上、平成25年度においては、新実験装置での速度場計測,大規模なDNS,および伸長粘度計測を概ね計画通り実施することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度まで改良を重ねてきた新装置において,当初予定していた通り,可視化観察ならびにPIV計測を実施することができた.また,抵抗低減メカニズムの解明を目指した直接数値シミュレーション(DNS)の実施,ならびにレオロジー計測として液滴落下を利用した伸長粘度計測を実施することができた.
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今後の研究の推進方策 |
設定主流速度を様々に変化させ,高レイノルズ数における乱流境界層流れのLDV計測および(ステレオ)PIV計測を実施する。また、BMPモデルを用いた抵抗低減チャネル乱流のDNS,ならびに従来よりも主流方向の計算領域を広げた乱流境界層流れのDNSを実施する。さらに,レオロジー計測として液滴落下を利用した伸長粘度計測を実施する.以上,速度場計測,数値シミュレーション,レオロジーの知見を融合して,乱流境界層流れに特有の抵抗低減メカニズムの解明を目指す.
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